「子ども・子育て支援金」の徴収が開始
令和8年4月から、いよいよ「子ども・子育て支援金」の徴収が開始されます。社会保険適用事業所のみなさまにとっては、社会保険料の計算業務や社員への説明など、新たな対応が必要となる重要な局面です。
今回は、この支援金制度の概要と、事業者が準備すべき実務上の注意点、そして社員への周知のポイントについて詳しく解説します。
1. 子ども・子育て支援金とは?
この制度は、急速な少子化に歯止めをかけ、社会全体で子育て世帯を支えるための新しい分かち合いの仕組みです。具体的には、児童手当の拡充や妊婦のための支援給付、育児休業中の手取り10割相当を支援する給付などの財源に充てられます。
「医療保険制度」を通じて徴収されるのが大きな特徴で、健康保険料とあわせて納付することになります。
2. 実務上の対応事項と計算ルール
事業主のみなさまがまず押さえておくべきは、以下のスケジュールと数値です。
- 開始時期: 令和8年4月分の保険料から(通常、5月支給の給与から天引き)
- 支援金率: 0.23%(※賞与も)
- 負担割合: 事業主と従業員で「折半」
- 対象: 毎月の標準報酬月額および標準賞与額
健康保険料率と同様、標準報酬月額に支援金率を乗じて算出します。例えば、月給30万円の場合、支援金総額は690円となり、その半分(345円)を労使それぞれで負担することになります。
(参考)https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat330/sb3150/r08/r8ryougakuhyou3gatukara/
3. 給与明細への記載と端数処理の注意点
実務で迷いやすいのが給与明細の書き方と端数処理です。
- 明細への記載: 法的には健康保険料と合算して「健康保険料」として表示することも可能ですが、社員の理解を得るためには、内訳として「子ども・子育て支援金」の額を明示、あるいは別欄を設けることが推奨されます。
- 端数処理: 原則として、健康保険料と支援金の額をそれぞれ算出し、合算した後に端数処理(50銭以下切り捨て、50銭超切り上げ)を行います。
4. 社員への周知と説明のポイント
最も丁寧な対応が求められるのが、社員への説明です。特に「子どもがいない社員」や「子育てを終えた世代」からの反発が予想されます。
説明の際は、以下の3点を伝えるとスムーズです。
社員さんへの説明資料としてこちらのリーフレットもご活用ください。
- 社会連帯の理念: 子どもたちは将来の社会保障制度の担い手であり、全ての世代にメリットがある制度であること。
- 公的な義務: 医療保険料と一体的に徴収される、法律に基づく義務であること。
- 還元される利益: 育児時短就業給付や誰でも通園制度など、社会全体の働きやすさにつながる施策に使われること。
5. まとめ
今回の改正は、金額こそ大きくはないものの、給与計算システムの改修や社員への説明など、事業主さまの負担は少なくありません。
当事務所では、具体的な保険料額の計算や、社員向けの説明資料の作成サポートも行っております。不明な点や不安なことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。制度への正しい理解と準備を進め、円滑な移行を目指しましょう。

